「韓国伝統音楽の彩り」夜の部 印刷
作者: Kobinata Hidetoshi   

 

2010年7月3日(土)18:30、韓国伝統音楽の至宝、黄秉冀(ホァン・ビョンギ)他による音楽会「韓国伝統音楽の彩り」が、紀尾井ホール(東京都千代田区)で行われた。

 

前半は伝統音楽、後半は黄秉冀作曲の現代曲の2部構成のプログラムだった。前半には、1910年以前は宮廷音楽だったジャンル「正楽(チョンアク)」の歌曲(カゴク)と合奏、民間芸術音楽「散調(サンジョウ)」さらに宮中舞を配置し、たっぷりと伝統音楽で楽しませた。特に歌曲を担当した姜権洵(カン・クォンス)は、伝統音楽と現代曲のいずれにおいても、声に対する驚異的なコントロール力を見せた。韓国伝統声楽のすばらしさを堪能した。

 

後半は、黄秉冀による1970年代から1990年ころまでの曲が演奏された。伽耶琴(カヤグム:韓国の箏)独奏曲、大笒(テーグム:竹製横笛)独奏曲、玄琴(ヘグム:2弦弓奏楽器)独奏、歌曲(カゴク)、伽耶琴独奏と続いた。特に伽耶琴では、伝統的演奏法に加え、アルペジオやハーモニクスといった新しい奏法なども導入されたものであった。氏以外にも、伝統楽器を使って新しい曲を書く作曲家が存在すると思われるが、それらの演奏も聴いてみたいと思う。

 

最終更新 2010年 7月 06日(火曜日) 22:57