ラビンドラナート・タゴール生誕150年記念講話会in横浜 印刷
作者: Kobinata Hidetoshi   

点灯式2011年7月23日(土)、ラビンドラナート・タゴール生誕150年を祝う講話会が横浜で開催された。


前世紀初頭に、絹を巡って日印経済交流が始まった横浜の地。日印交流の象徴となった横浜インド商協会(The Indian Merchants Associateion of Yokohama[IMAY])のサロンが、講話、音楽、詩の朗読、ヨーガなど多彩な文化プログラムで満たされた。

 

19世紀におけるソウリンドロナート・タゴールを通じた音楽交流をのぞき、経済から始まった日印交流は、日本美術の確立に大きく寄与した岡倉天心(1863-1913)らとの文化交流に結実する。生糸を扱う福井藩士の父を持ち横浜で生まれた岡倉、同じく生糸貿易商であり横浜に三渓園を作り美術品展示を行った原三渓(1868-1939)、インド・ベンガル州生まれでアジア人初のノーベル文学賞受賞者ラビンドラナート・タゴール(1861-1941)らの交流の背景に、生糸を巡る経済交流があったことは興味深い。裕福な家柄、東洋文化覚醒意識を共有した人々であった。

 

 

 

プログラムでは、タゴール生誕150年記念会代表河合力氏、IMAY元理事長リッキー・サラニ(Ricky Sarani)氏による点灯式に続き、大東文化大学教授岡倉登志氏による「岡倉天心(覚三)とR.タゴールが求めた『東洋の理想』」の講話が行われた。

第二部には記念会事務局長大場多美子氏による詩の朗読、辰野基康氏によるシタール演奏、Ms.バスワティ・ゴーシュ(Baswati Ghosh)氏の詩の朗読などが行われた。


岡倉氏は天心と思想家としてのR.タゴールの交流を概括し、タゴールが多彩な芸術活動から訴えた「自然との共生」「東西の融合」、「平和」を最後に強調した。大場氏の朗読には、タゴールが三渓園での滞在中に作った詩集『迷い鳥』など、俳句への愛から生まれた数編の短詞や「お母さま」などの詩が紹介された。


今後2012年3月まで、記念会では様々な催しを行う予定とのこと、会のWebなどを確認していただきたい。なおタゴールの詩は、ラジオ・ニュームンバイの番組「タゴールの詩の朗読『朝の鐘』」にて、インターネットから聞くことができる。

 

 

最終更新 2011年 8月 11日(木曜日) 12:04