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魂をゆさぶる「声」 PDF 印刷 Eメール
2011年 1月 27日(木曜日) 12:25

 2011年1月21日(金)、韓国文化院ハマダンホールにて、琵琶語り、新内、パンソリの演奏が行われた。韓国の伝統的語り物と日本の「声」による日韓音楽文化交流の絶好のプログラムだった。パンソリは、18世紀頃に民衆の語り物として盛んに演じられるようになったとされる語り物。1人の演者が、太鼓(プク)の伴奏を伴い、登場人物の台詞(アニリ)、歌(チャン)、ジェスチャー(ノルムセ)で構成する舞台である。現在5演目が伝承されており、当日もその中でも有名な親孝行物語『沈淸歌(シムチョンガ)』の数場面が語られた。

 演者の金福実は、迫力ある声と身振りで聴衆を十分引きつけた。経歴を見ると、日本でもパンソリを教えているようであるので、これを機会にパンソリに興味を持つ人が増えるとよいと思う。日本の芸能を考える上でも、たいへん興味深い発声と演技である。聴衆には多くの韓国の方もいたため、客席からも的確な間の手が入り舞台は白熱した。ネイティブの方々のパンソリの楽しみ方と、歌舞伎の見方に類似があるのもおもしろい。

 日本でも、パンソリの公演は多く行われるようになったが、筆者が経験したものの多くは語りの対訳を舞台に示し、聴衆の理解を深める工夫があった。今回の公演ではこうした工夫がなく、聴衆の中の日本人からは、この点についての不満の声もいくつか聞かれた。口承文学としての性格が強い演目であるからこそ、言葉の意味を伝える努力があれば、いっそう楽しめたであろう。主催者のこれからの企画に期待したいところである。

 複数の文化背景を持つ演目を一つの舞台で構成する場合、どのように接点見出すのかは難しいことだが、今回は日韓の「声」「語り」を軸にしたものとなり、興味深いものとなった。ただ、これらの演者が、真の意味での競演をし、同一曲を演じることがあってもよかったと思う。言うは易く行うは難し、ではあるが。

 

 
シタールの新星プルバヤン@京都  PDF 印刷 Eメール
2010年 9月 20日(月曜日) 16:24

2010年9月19日(土)、「プルバヤン・チャッタルジー・ジャパンツアー2010」が、「プルバヤンチャタジー Tour 2010 LIVE—仏手 ゴッドハンド—」(京都百万遍知恩寺)で幕を開けた。コルカタから初来日を果たしたシタールの新らしい才能プルバヤン・チャテルジー(Purbayan Chatterjee[1])が、京都や関西圏のインド音楽ファンの注目を集めた。

 

 

最終更新 2010年 9月 20日(月曜日) 18:54
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ネパール・フェスティバル2010 PDF 印刷 Eメール
2010年 8月 06日(金曜日) 20:34

Nepal_Festival2010 2010年猛暑の中、7月31日(土)・8月1日(日)の両日、「第4回ネパールフェスティバル2010」が東京・日比谷公園内大噴水広場と音楽館で行われた。

2007年よりこの場所で開催されているこの祭典は、日本在住ネパールコミュニティーが企画するイベント。日本とネパールの友好を深め拡大させることを目的としている。

会場では、ネパール産品の紹介や展示即売、多彩なカルチャープログラムが繰り広げられた。ネパール人だけではなく多くの日本人が訪れていて、噴水広場周辺はさながらネパールのバザールと化していた。

最終更新 2010年 8月 10日(火曜日) 10:13
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「韓国伝統音楽の彩り」夜の部 PDF 印刷 Eメール
2010年 7月 06日(火曜日) 22:53

 

2010年7月3日(土)18:30、韓国伝統音楽の至宝、黄秉冀(ホァン・ビョンギ)他による音楽会「韓国伝統音楽の彩り」が、紀尾井ホール(東京都千代田区)で行われた。

 

最終更新 2010年 7月 06日(火曜日) 22:57
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「韓国伝統音楽の彩り」昼の部 PDF 印刷 Eメール
2010年 7月 05日(月曜日) 09:48

 

2010年7月3日(土)14:00、韓国伝統音楽の至宝、黄秉冀(ホァン・ビョンギ)によるカヤグム散調の演奏会が、紀尾井小ホール(東京都千代田区)で行われた。これは、同日夜の部「韓国伝統音楽の彩り」のマチネーとして企画されたものである。通常、その全曲を通しで演奏することがまれな「伽耶琴散調」が完全版として演奏された。音楽学者徳丸吉彦氏の企画およびこれを実現した新日鐵文化財団に賛辞を送りたい。

前半40分程の時間では、徳丸氏が黄秉冀氏へのインタビューの形で解説が行われた。

韓国音楽の構成の上で重要な用語、1.「長短チャンダン」(リズム周期)、2.調(音階)3.散調形式などの説明があった。配付プログラムにも適切な情報が掲載され、聴衆への理解が図られた。

今回のカヤグム演奏を実際に担当した朴賢淑(パク・ヒョンスク)の音はふくよかで、豊かな響きを楽しめた。チャング(チャンゴ)を黄氏が受け持った。黄氏が旋律を担当しなかったことに、客席には一瞬戸惑いも見られたが、70分におよぶ演奏は素晴らしく、ネイティブの方々からの韓国式掛け声も多くあり、舞台は白熱し感動の中でフィナーレを迎えた。ともかく、完全版散調を身近に生演奏で聴けたことは、貴重な体験であった。このような催しが、広く知られることを願いたい。

 

最終更新 2010年 7月 06日(火曜日) 22:57
 
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